モーリス・ベジャール・バレエ団「『ボレロ』ほか」@大阪厚生年金会館大ホール
私はバレエと名のつくものを、生どころか、映像でもほとんど観たことがありませんが。
私は2005年春(だったと思う)にSKDの映像と出会ってから、筋肉信者なんですよ。
それは見た目のむきむきとかそういうことではなくて。ダンスでもアクションでも舞踊でも、いかに筋肉で身体がコントロールされているか。そこにものすごく感動を覚えます。
そういう意味ではもう、そりゃ、すごいですよ。何かとても柔らかい針金が入ってるみたい! …あ、それが筋肉か、みたいな。人間って、ここまで鍛えられるのかー!と。
さて、私が観た公演では4つの作品が上演されました。
「これが死か」「イーゴリと私たち」「祈りとダンス」そして20分の休憩を挟み、いよいよ最後に「ボレロ」。
4作品ともカラーが違うので飽きないです。
「これが死か」は、ストイックというか、抽象的というか、頑張ってみたけど正直ストーリーはわかりませんでした。タイトルからして、明らかに何かストーリーがあるはずなのに。パンフレットには載ってるんですけどね。
フランス語かな、歌詞が耳で聞いて分からないのもハンデかも。
この作品の感じで4作品だったら途中で寝てしまったかもしれないけど、動きがゆっくりなので、一番動きの美しさを堪能できた作品ではあります。
「イーゴリと私たち」。イーゴリというのは指揮者(イーゴリ・ストラヴィンスキー)。指揮者役の男性ダンサーの指揮に合わせ、他のダンサーたちが楽器となって音色を奏でるって感じでした。楽器でもあるような音色そのものでもあるような。
指揮者の声はフランス語っぽい英語だったのが印象的だった。何で英語だったのかな、と思って。
「祈りとダンス」は民族色の強い音楽が多くて、衣装も少し装飾的で、大勢のダンスも多いので、エンターテイメント度が高めと感じました。何も考えずにわーっと楽しい。
友人が、クラシックバレエは女性がメインになるけど、ベジャールのダンスは男性が主役と教えてくれたんですが、確かに。
祭のような場面で男性ダンサーたちが楽しそうに踊っているのを見るのは楽しい。
そして「ボレロ」。
まずラヴェルの「ボレロ」自体が超名曲。やっぱり。
メロディと名づけられたセンターの役を女性が、リズムと名づけられた周りの大勢を男性が踊っていたのですが、男女逆バージョン、男性のみバージョンというのもあるそうです。それぞれで踊りの意味合いが変わってくるらしい。どんなふうになるのか観てみたい。そして、ないみたいだけど女性のみバージョンも観たいぞ。
そのメロディを演じた女性ダンサーが私の好きなタイプでした。女女してない。「ターミネーター2」のサラみたいな感じ。面長で。黒のスパッツ?に、肌色のタンクトップ?だったので、初めは男か女かわからなかった。
最後は男性たちの餌食になってしまうんだけど、怯えとかは感じなかったな。最後まで撃ち落とされることを知らない鳥みたい。…と私は思ったんだけど、表情の演技を前面には出さない感じなので、読み取れてないだけかもしれない。
SKDの新日舞の傑作「ボレロ」にはあまり似ていなかった。(ちなみに、SKDの「ボレロ」は女役だけで踊っている)
似ているのは、赤という色が使われていることと、一人の中心人物がいるということ。
流れるような直線の移動は、西崎真由美独特のもの。あーでも最初は似てるか。西崎真由美の日舞にベジャールの「ボレロ」のテイストを取り入れたって感じなのかもしれない。
全体を通して、男の人は上半身が常に裸。ジャケット着てても中は裸。やっぱダンスは身体見せてなんぼなのよね、と自説に自信を得る(笑) 。
女の人は、さすがに前は全部覆われているけれど、背中は大きく空いている。まあでも、これって一般的なレオタードの形なのかな。
言葉がない分、個人的な事情というよりは、人間、とか男女、というような普遍的なことがテーマになるような気がした。特に、普通の演劇よりも男女というテーマから逃れがたく感じる。
もう一つの公演、「バレエ・フォー・ライフ」も、時間の余裕さえあれば観たかったです。





